[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : そうして、アタシと燈子は、聞き込み調査に出たわけだが……。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「あ、あのー……!!……えっと、アレか……?ハッピーハロウィン!! ……で、合ってるのか……?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 近くにいた人へ話しかけるも、不安そうな表情へ変わり、助けを求めるように燈子の方を向く。
[メイン2]
コスプレ魔女 :
「ハロウィン?」
「あはは、なにを言ってるのさ今は5月だよ!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「!?!?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : うぐぁああぁっ……!!し、しくったぁ!!恥ずかしい……!!
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 顔を赤らめる胡桃。
[メイン2]
七海 燈子 :
「あはは……そういうムードだからね」
不安そうな顔をなだめようと、笑いつつ。
[メイン2]
七海 燈子 :
ともあれ、話を最初にしてくれたから話しやすくはなった。
ナイスだよ、恵飛須沢さん。
[メイン2] 七海 燈子 : 「私達も、仮装パーティーがあるからって来ただけなんですけど…なんのパーティなんですかね?」
[メイン2] 七海 燈子 : あ、その仮装とても似合ってますよ、とも言いつつ。
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
似合ってるよ、という燈子の言葉に、胡桃も同じく
うんうんと頷き。
[メイン2]
コスプレ魔女 :
「ありがとう!」
「ヘクセンナハト、春の恵みを祝う祭りだね」
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
「へくせんなはと……」
……聞いたことが、ない……まずい、教養の無さが、出ちまう……!
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「……えっと、あれか!収穫祭、みたいな感じか……?」
[メイン2]
七海 燈子 :
「ヘクセンナハト……それってどういうものなんでしょうか…?」
[メイン2] 七海 燈子 : そういうモノには詳しくない…ううん。
[メイン2] コスプレ魔女 : 「復活祭の篝火。5月の到来を祝う日。現在は篝火を焚き、 魔女の仮装をしてお酒を飲み、バカ騒ぎをする愉快な日。他の場所だとヴァルプルギスナハトって呼ばれる祭りだよ」
[メイン2] コスプレ魔女 : 「魔女たちがブロッケン山で大規模な祭りを催して、 春の到来を待つという催しが由来だね」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「ふ、ふむふむ……?……すごく詳しいん、だな……勉強になった、ありがとう……!」
[メイン2]
七海 燈子 :
「ははぁ…ありがとう…通りで、魔女の格好の人が多いと思ったら」
辺りを見まわすと、コスプレ魔女もちらほらと見かける。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「ちなみに!このお祭りに纏わる、こう……噂話とかって、無いのだろうか……?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「例えば……満月が真上へ昇ると、恐ろしい事が起こる、だとか、そういうの……」
[メイン2] 七海 燈子 : こく、と恵飛須沢へと頷き。
[メイン2] コスプレ魔女 : 「恐ろしいこと?そんなのないよ」
[メイン2] コスプレ魔女 : 「夜の12時は祭りのクライマックス。 等火、 キャンプファイヤーが最後に広場で燃え盛るんだよ!」
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
「むぅっ……そう、か……」
……否、今夜は、その"恐ろしいこと"が起こってしまうのだ。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「ほう……キャンプファイヤー、か……それまた、楽しそうだな……」
[メイン2] 七海 燈子 : 「……へえ、クライマックス…」
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
お祭りを楽しみ、嬉しそうに語る少女を見て。
その顔を、絶対に恐怖に歪ませてはならない、と決意しながらも。
[メイン2] 七海 燈子 : 「────キャンプファイヤーを見に”人”が大勢そこに集まる、と」
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
「………!!」
燈子のその発言に、ハッ!とした表情を。
[メイン2] コスプレ魔女 : 「そうだね。この会場は今よりもっと人が集まるよ」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「そ、そうか……!そのタイミングに……!?」
[メイン2]
七海 燈子 :
「…だからこそ、”今日”なのかもしれないね」
と、恵飛須沢へと返しつつ。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 燈子に、頷く。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「まずい……これは、まずすぎる……!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「な、なぁ!!この辺りに!ひと気の無い場所だとかって、無いか!?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「こう、なんだ……なんて言えばいいんだ……!?こう……!!あれだ!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「─────"魔女の儀式"ができそうな場所!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 慌てながら、ド直球な質問をぶつける。
[メイン2]
七海 燈子 :
タイムリミットがある以上、すぐに向かった方がいい……
今の質問は、突飛だけど…むしろ、助かる…
聞きにくいことを、ありがとう。
[メイン2]
コスプレ魔女 :
「え~…そうだなぁ」
少し考えたあと、ポンッと手を打つ
[メイン2]
コスプレ魔女 :
「そういえば向こうに使われてない小屋があったっけ」
会場から離れた場所を指さす
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「小屋……?なるほど……!調べてみる価値は……あるだろうな……!」
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
「ありがとう!えっと……楽しいお祭りを!ハッピーハロウィン!!」
そう少女へ言い残し、小屋へと走っていく。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「燈子!こっちだ!!」
[メイン2]
コスプレ魔女 :
「だからまだ5月だって」
「またね~!」
手を振って見送る
[メイン2]
七海 燈子 :
「ああ…『非日常』を楽しんで!」
と、少女に言い。
[メイン2] 七海 燈子 : こくり、恵飛須沢へと頷く。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「はぁっ……!はぁっ……!!……"この体"になっても、疲れるものなんだな……!」
[メイン2] 七海 燈子 : そしてそのまま、追いかけるように小屋へと。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「燈子は、大丈夫か……!?」
[メイン2] 七海 燈子 : 「っ、そうか……恵飛須沢さんは、『屍人』と化しているのか…」
[メイン2]
七海 燈子 :
「慣れない体だけど、なんとか走れるくらいにはね」
にこり、と笑いつつ。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : ─────相変わらずの、『余裕』のある表情を浮かべる燈子を、決死の表情を浮かべながら、見つめる。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「……随分……『余裕』そう……だな……?」
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
いや、燈子は、いつだってそうだ。
誰にでも優しく、誰にでも『余裕』のある態度を向ける。
[メイン2]
七海 燈子 :
「……ん?ああ…うん」
ぱたぱたと、足をかけたまま。
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
アタシは、そんな燈子の姿に助けられてきた。
今回だってそう、アタシ一人だったら、パニクっていたかもしれない。
……どうすればいいか分からず、動けない、なんてことも、あったかもしれない。情けないことに、な……。
[メイン2]
七海 燈子 :
「『そう見えてくれているかな』」
『余裕』そうな顔を、崩さずに……
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : だが……今は……そんな燈子の様子に、違和感のようなものを抱き始める。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「…………」
[メイン2] 七海 燈子 : ……不気味なほど。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「─────どういう、ことだ……?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 訝しげに、燈子を見つめながら。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「……分かってるん、だよな……?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「今、アタシらが、早くなんとかしないと……あの子達は、死んじゃうかもしれないんだ……!!」
[メイン2] 七海 燈子 : 「……何を?この状況を、かな」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「惨殺、されちまうんだ……!!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「惨たらしく……!!!平和な日常が、あっけなく奪われちまうんだ……!!!」
[メイン2] 七海 燈子 : 「…うん、それは……わかってる」
[メイン2] 七海 燈子 : ちら、と
[メイン2] 七海 燈子 : 顔が下を向いて。
[メイン2] 七海 燈子 : 「……だったら、助けるために『余裕』でいるのは……必要なこと、じゃないかな?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「………ああ、そうだ、それは尤もな言い分だ、だけど……」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「燈子、お前は─────」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「─────違うだろ」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「─────"演技"してるみてぇな顔、ずっと浮かべて……!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 胡桃は、苛立ちが勝っていた。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : これは、胡桃の我儘でしかない。あまりにも傲慢な態度だ。
[メイン2] 七海 燈子 : 「………」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : かつての自分と同じような目に遭わせなくないから、だからこの広場にいる子達を救う。儀式を破壊する。
[メイン2]
七海 燈子 :
ぴたり、足が止まる。
急がなくてはならないというのに、何故か。
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
それは……燈子達とは違った観点だ。
燈子達にとっては、別にどうだっていいのかもしれない。
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
この祭りを楽しむ子達がどうなろうと。
いや、それ以上に………。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : ─────自身が、どうなろうと。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
・・・・
そんな、自分自身を大切にしていなさそうに見える燈子の姿に、苛立ちを覚えていた。
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
・・
「─────アタシは……お前を、見ているからな……!!」
[メイン2] 七海 燈子 : 目を、恵飛須沢へと向ける。
[メイン2]
七海 燈子 :
その目の奥は、いつか隠したもの。
暗い、オレンジの瞳。
[メイン2] 七海 燈子 : 「ああ、わかってるよ」
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
「…………」
足を止め、燈子を、じっと見つめる。
[メイン2] 七海 燈子 : 「恵飛須沢さん」
[メイン2] 七海 燈子 : 「君は私を見てくれている、同じ高校の生徒だからこそ────」
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 : 「────『余裕』であらねば、ならないだろう?」
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 : 七海燈子は、恵飛須沢が通う高校の生徒会長である。
[メイン2] 七海 燈子 : 皆から容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、常に笑顔を振りまく好人物。
[メイン2] 七海 燈子 : そんな『生徒会長』として、『演技』を続ける。
[メイン2]
七海 燈子 :
『観客』が見続けるまで、『演技』は止まらない。
それが『生徒会長』という役割を与えられた、『演者』の一人。
[メイン2] 七海 燈子 : だから七海は、『余裕』を保ち続ける。
[メイン2] 七海 燈子 : ────人々が見続け、求めた『怪物』と同じように。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「…………燈子、アタシは……お前が『余裕』に固執し続ける理由なんて、分からねぇし……それを止めろという権利なんてもんも持ち合わせてねぇとも、思ってる」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「それに………そこまで……"怪物じみた固執"なんだ」
[メイン2] 七海 燈子 : 『がっこう』は、七海の在り方────『くらし』に必要なものなのだ。
[メイン2]
七海 燈子 :
「……」
目を向けたまま、話に耳を傾ける。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「燈子という人生の中で、どんな過去があって、どんな経緯があって、今の燈子が出来上がってるかなんて、アタシじゃ想像つかないだろうな」
[メイン2] 七海 燈子 : 「……それじゃあ、私が『余裕』であることを……わかってくれるのかな?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「……」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 燈子の瞳を、じっと見つめ。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「─────無理だ。」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : キッパリと、言い捨てる。
[メイン2]
七海 燈子 :
理解されない、されるつもりもない。
ただ、”そういうものだ”と受け流してくれればそれでいい。
[メイン2] 七海 燈子 : そう、思って────
[メイン2] 七海 燈子 : 「……っ、え…?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「アタシは……こんな事態になっても、慌てねぇ、人の心を持ち合わせねぇ、演技を続ける人間は─────」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「─────信頼、できねぇ」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 眉を顰め、そう言い告げる。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「………アタシと、燈子はッ……!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「『仲間』じゃ……!!無かったのかよッ………!!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「アタシにすらも、『演技』するのかよッ……!!!おいッ!!!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : まくしたてるように、叫ぶ。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「アタシはッ!!!!もう二度と『惨劇』を起こしたくない!!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「燈子はどうなんだ!!!言って見ろよッ!!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2]
恵飛須沢 胡桃 :
・・
「─────『本当』の!!お前の気持ちをッ!!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 :
[メイン2] 七海 燈子 : その剣幕。
[メイン2] 七海 燈子 : 『私の知っている恵飛須沢さん』じゃないような、その顔に。
[メイン2] 七海 燈子 : ……っ
[メイン2] 七海 燈子 : いいの、か……
[メイン2]
七海 燈子 :
私は、お姉ちゃんの代わりに、そのまま…なるために。
演技を続けてきたんだ。
[メイン2] 七海 燈子 : こんな所で、私の本当の気持ちを────
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 : CCB<=90 演技
[メイン2] 七海 燈子 : ……。
[メイン2] 七海 燈子 : CCB<=90 小心者 (1D100<=90) > 82 > 成功
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 : 「……私の」
[メイン2] 七海 燈子 : 「私の『本当の気持ち』、はっ」
[メイン2] 七海 燈子 : そんな、『不死の炎』が宿る瞳に、耐えられるほど。
[メイン2] 七海 燈子 : 「……ずっと、ずっと……ッ」
[メイン2] 七海 燈子 : 「────『不安』、だったッ…!!!!!!」
[メイン2] 七海 燈子 : 硬くもない、『小心者』だった。
[メイン2] 七海 燈子 : その目からは、涙をぼろぼろと流して。
[メイン2] 七海 燈子 : ぐず、と…鼻声で、ただただ泣きわめく。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 『演技』を辞めた彼女を見て、アタシは─────。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : ─────ぎゅっ。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 力強く、抱き締めていた。
[メイン2] 七海 燈子 : 「こんな所に来て、訳の分からない体になって、化け物も隣にいて、殺戮が始まるだなんて、そんな……ッ、『非日常』が、始まるなんて…おもって、なかったっ……」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「………ありがとう……ありがとう……!!……本当の、燈子を、アタシに見せてくれて……!」
[メイン2] 七海 燈子 : 「ッ、あ……っく、ぅ…」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「……ああ、そうだよな……怖いよな……訳が分からねぇよな……!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「逃げたいよな……!!泣きたいよな……!!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 強く、強く抱き締める。
[メイン2] 七海 燈子 : その抱き締められる力に、『一人』じゃないことを、思い出して。
[メイン2] 七海 燈子 : 「……うんっ、うんっ……」
[メイン2] 七海 燈子 : 何度も泣きながら、強く深く頷いて。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「─────燈子、改めて……お前に、言ってやる」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「お前は……『一人』じゃないッ!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「アタシがいる!!そして……絶対に、守るッ!!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「……信じてくれ、アタシのこと……!!」
[メイン2] 七海 燈子 : その、『見たことのない恵飛須沢さん』を、見て…私は。
[メイン2] 七海 燈子 : 「…本当に、私は……『演技』なんて、しなくて…いいの…?」
[メイン2] 七海 燈子 : 「…守って、くれるの…?」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 頷く。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「守るよ」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「燈子は─────"本当はか弱いお姫様"だからな」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「……へへ、それだったら、見捨てる道理もねぇよ」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「絶対に……元の居場所に戻ろう……!!一緒に!!!」
[メイン2]
七海 燈子 :
「っ、ぅう……”お姫様”、か……うん、じゃあ……」
そんな言い方に、なんだか、嬉しくって笑ってしまって。
[メイン2] 七海 燈子 : 「一緒に、帰らせてくれ……”騎士様”」
[メイン2] 七海 燈子 : 「だから、その……」
[メイン2] 七海 燈子 : 「……怖いから……手、握ってくれると……嬉しい……」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「ああ……もちろんさ、全然問題無い」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 燈子の手を、強く握りしめる。
[メイン2] 七海 燈子 : 騎士の”我儘”に当てられるように。
[メイン2] 七海 燈子 : お姫様は、初めてそんな”我儘”を口にした。
[メイン2] 七海 燈子 : 「……ふふ、えへへ……ありがとう、”胡桃”」
[メイン2] 七海 燈子 : にっこり、と…満面の笑みで、そう言って。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「………!!……へへ……!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : ……やっと……下の名前で、呼んでくれたか……!
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : ……なんだか、こっぱずかしいな……へへ、でも……悪く、ないや。
[メイン2] 七海 燈子 : ………。
[メイン2] 七海 燈子 : 人を初めて、名前呼びしてしまったし、手も繋いでしまった……
[メイン2] 七海 燈子 : ……嬉しい、な…なんだか、ずっと…こうしてしまいたい気分だ……
[メイン2] 七海 燈子 : ……こんな時だけど、私は…吠えたいくらい、喜んじゃってる。
[メイン2] 七海 燈子 : 「満月までに、間に合わせようか…胡桃?」
[メイン2] 七海 燈子 : そんな喜びが現れているのか、少しにやけた顔で。
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 「……ああ、必ず……!!」
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : ニッ、と笑みを浮かべながら
[メイン2] 恵飛須沢 胡桃 : 燈子の腕を引っ張り、小屋へと走って行く。
[メイン2] 七海 燈子 : 体をそっと、気づかれない位にくっつけながら。
[メイン2] 七海 燈子 : 二人を、火が照らしていた。
[メイン2] 七海 燈子 : 春は別れ、出会い……そして…関係性が深まる季節。
[メイン2]
七海 燈子 :
春の祭典、それを祝福するように。
だから今日は。
[メイン2] 七海 燈子 : ────ワルプルギスの夜なのだ、と。
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :
[メイン2] 七海 燈子 :